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家族介護者の健康状態を調べることの意味

現在、平成26年度日本作業行動学会研究助成をいただきながら、家族介護者(主介護者とも言われている)の健康状態を調べている。

医療・福祉は、心身に何らかの問題を抱えている当事者に対してのサービスを充実させてきた。

専門職は、自分の専門能力を扱い対象者が「健康になれるよう」支援する。

そのために、知識・技術を携え、日頃の業務は多忙を極めるが、やり甲斐を見出し頑張れる。

そして、休日や平日の夜には、お金を出して更にいいサービスが提供できるように勉強に勤しむ。

その様は、とても健気で美しいと、様々な病院スタッフと関わる中で、いつも感じている。

さて、その対象はあくまで「患者」であり、介護保険を受ける「利用者」である。

そのため、「患者」もしくは「利用者」の幸せにつながるために、時には「家族」もスタッフ側の人間のように

捉えられることがある。(多いように感じている)

「患者」もしくは「利用者」を中心に据え置き、取り囲むように医者・看護師・リハスタッフ・社会福祉士などが

チームとなり、アプローチしていくわけだが、そのチームに家族が含まれる。

しかし、家族は、「患者もしくは利用者」と終わりの見えない介護生活に突入し、

自分の人生を優先することが難しくなり、場合によっては後回しにしたり、諦めたり、ゴール設定を変えたりと、

家族自身の幸せについては、誰が支援するのだろう?

「患者もしくは利用者」となったアクシデント(脳卒中であったり怪我やその他の出来事により障がいを抱え込む事になった時)と時を同じくして、家族は自分の身は動けるが、「患者もしくは利用者」の介護を通して、様々な人生としての文脈に変化が生じる。

私は、医療・福祉の専門職としての能力は、対象者として「患者もしくは利用者」のみならず、その家族への支援が横出しで必要なのではないかと想っている。そして、その思いはきっと多くの医療・福祉専門職は同調してくれる視点だろうし、「家族会」は実際に多く存在しているため、今現在、皆無ではないこともわかっている。

重要な事は、医療・福祉の専門職が提供できるサービスの前提に「家族への支援」の方法が確立していないことだと感じていて、家族の「何」に我々が「何」ができるかを明確にしていくことが前段階にあるということだと想っている。

このブログでは、私の取り組みの紹介や、日本で行われていることの紹介、世界のcaregiverに関する研究の紹介などをしていきたいと想っている。また、知見の有る方は、ご意見を頂戴できますと、ありがたいですので、ご助言をよろしくお願いします。

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